さはらやの倉庫 短歌と愚痴と雑記

短歌と愚痴と雑記 twitter @0ya5udon

短歌 連作

想定内の想定外

冷めそうだインスタントのコンスープ君は星野源に釘付け

夏なのに腹巻きをして寝る君の寝相はコペルニクス的転回

愛というものを挟んで繋がってそれはキスさえ邪魔だと思う

積み上げた本を崩さぬようにして君の隣に作る縄張り

コンビニのかぼちゃプリンを分け合ってふたりでシンデレラになりましょう

髪の毛を乾かす僕を遠巻きに見ている君はプレーリードック

靴箱にリセッシュをする 二人分臭い二人分の生活

同棲の妄想をする君と僕 向い合わせのコメダ珈琲

街中で手を繋ぐことを許されずティッシュをたくさんもらってしまう

笑ってる君はマックのバーガーで幸せ感じる感性を持つ

双極性Ⅱ型障害の君から衝動詠みの短歌二百首

一番の冷え込みの日に電話する凍えた声で温かくなる

名古屋行き快速列車の三両目「川だね」「鴨だよ」「かわいいね、(君)」

保温性弁当箱が僕からの誕プレ「ホッとする君でいて」

「終電を逃すとかフィクションであると思ってた」そんな真顔で言うな

駅前の信長像は真夜中のキッスを知らないふりしてくれた

土曜日の徹夜カラオケ今ならばサンシャイン池崎にも勝てる

カラオケで知らない曲を聞くたびに知らない笑い方を覚える

早朝の街をふたりで徘徊しぼけた老人しあわせごっこ

改札で始発電車の音を聞き朝ぼらけには響く靴音

ゆらゆらとつり革ゆれてうとうとと例えば宇宙で踊ったラルゴ

ナスが好きトマトは嫌いサバも好きスーパーでさえ脳内は君

図書館の机に座る木漏れ日に許しを請うて本を広げる

右側に昨日見つけた口内炎左に少し不機嫌な君

さ迷って入ったホテルでさっきより迷子になってふたりして泣く

滅茶苦茶な文法でする愛してる0点だけどはなまるぴっぴ

波が来て君は遠くに拐われる僕は岸辺で灯台となる

病院のお供をデートと言った君は想定内で想定外だ

また君がロフトで買ったぬいぐるみに嫉妬はしないが持ってあげない

すごく君を愛してるからコンビニのおでんの大根ひとつあげるよ