さはらやの倉庫 短歌と愚痴と雑記

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草枕を読んで

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 ぽつりぽつりと土の色が濃くなり、雨が降ってきたと気づいた。そう言えばさきほどから草の匂いが強い。やがて土は泥となり、雨水は側溝へと流れだす。何本もの曲線が絡み合ってその流れを作りだし、これがぽつりひとつと降ってきた雨粒から始まったのかと思うと驚かされた。
 こんな詩的飛躍は私には書けない。
 一本の曲線は蛇に似て、もう一本は子供の縄跳びに似ていた。見ていると、とても楽しい気持ちになる。それらが流れ着く側溝の中は茶色い水がごうごうと音をたてながら走っていた。詩も絵画も結局は濁流のような時代から逃れられないのだと思うと少しがっかりをする。その濁流から飛び散った飛沫がキラキラと光って土の上に戻った。それらは一瞬水滴の形を残し、また濁流へと流れて行った。
草枕を読んで)