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さはらやのブログ 詩と短歌 時々自分のこと

詩と短歌とその他もろもろのブログ twitter @0ya5udon

短歌 震える手で箸を持つ

震える手で箸を持つ

青空があまりに遠く伸ばす手の意味を問う人はもういない

冷たいか温かいかも忘れたら希望を想うことも億劫

一階の自習スペースで震えてたペンの先までただ怖かった

真夜中に国道八号線を行くつらいかなしいこわい たすけて

西友の駐車場の隅っこで四十五分間泣いていた

友達は楽しい時を共にする(笑って、私)(泣くんじゃないよ)

旅人のように誰にも知られずに死にたいときが毎朝七時

明石焼き頬張りながら幸せの氷の上を一人で走る

全部全部放り出したい真夜中の勉強机は四角く硬い

必要な気力がすべてなくなって(これ私だと呼んでいいのか)

レーズンパンだけを食べてた日数を数えることも思いつかない

現実がすりガラス越し なにもかも私を置いて新年は来る

家からも成人式も出れなくて二十歳という名だけがきらきら

留年と言われてはいとうなずいてかなしくもうれしくもなかった

友達のくれたアロマを嗅ぎながら眠れぬ夜をつつつと明かす

病気だと言い訳してるそのことか死にたくなるほど恥ずかしかった

怖いようねえ怖いよう怖いよう恐怖発作がまた始まった

つらくないつらいつらくないつらい 胸が鈍器で殴られるよう

まだ春が来ない花園 まだ青い顔でゆっくりゆっくり歩く

一日は雲が流れるようすぎて三月四月五月 朝です

ぼんやりと指先は春鼻先は夏口先はまだ冬のまま

ぼちぼちと答えるだけの一日はだるい体を持て余すから

六か月目にして薬が効きだした 薬の上の幸せを知る

毎月の薬代を記帳する 普通に成るのに必要な金

つらいようつらいんだようつらいよう つらいんだようつらいんだよう

愛されていることを知る そのうえで死にたくなってホント死にたい

死にたいに代わる言葉を見つけてよ午後の寝室光に満ちて

知り合いの少ない席は予想より胸が軽くて息がしやすい

留年の丸が付けられ 少しだけ不思議な気持ちでまわした名簿

くるくると変わる体調くるくると落ちる信用 空はまだ遠い

海岸の波消しブロック置くように薬を増やす(in vitro だね)

副作用だと気付かずに震える手で箸を持ったらこぼす白菜

死にたいと思いながらも生きたいと思う 器用に希望をつかむ