さはらやのブログ 詩と短歌 時々自分のこと

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短歌 春のはじまりの一日

春のはじまりの一日

さあ、朝だおはよう世界 まわってることを少しは嬉しく思う
鳥が飛ぶ朝の出窓の青空は私が一番好きな絵画だ
透明なグラスにそそぐミルクから草原のあおぐささを感じる
焼きたてのパンの匂いをほおばって溶けたバターとおはようのキス
カチャカチャとジャージャージャーの合唱の指揮をしながら皿を洗った
冷たさがしみる洗濯機の中で春色のシャツワンピが泳ぐ
パンパンとシワを伸ばせば春色のシャツワンピがすぐはしゃぎだすから  
真っ青な空にはためく洗濯物たちが少しだけうらやましい
お隣の野畑さんからいただいた鈴蘭の花には毒がある
スニーカーに紐を通してスニーカーらしくなったらほら誇らしげ
突拍子もない風が吹きタンポポが驚いた目で空を見上げる
裏山のまだ若い木が太陽に語りかけているようにそよいだ
道端の猫があくびをかましたら私も同じくあくびをかます
電線の雀が三羽いるけれどきっとなんにも考えてない
赤色のポストが食べる真っ白な女の子からのピンクの手紙
コンビニの角を曲がって交番の前を通れば桜の巨木
のんびりと泳ぐ亀とか鯉とかの横で水鳥の数を数える
ときおりの風が水面を揺らすから雲が歪んで泣き顔になる
あの雲はあの山越えて消えるのか知らないけれどとっても白い
夕暮れになる直前の変な色した空ばかり見てる気がする
西窓が真っ赤に熟れて落ちそうであわてて両の手をさしだした
空色が青色になる瞬間を見ようと落ちる夕日にむかう
輝いた一番星とヘッドライトのつらなりの文脈を読む
オリオンはまだ見えるからその端に冬がぶら下がってるのかな
小麦粉とバターを焦がさないように炒めてつくるクリームシチュー
火を通したなば甘く玉ねぎは私の舌を恋しく思う
少しだけ湯船で歌うこの歌の歌手の名前は忘れてしまった
温かい布団の中に入るとき世界に愛されてると思う
眠れずに羊の数を数えたら羊の夢をみるのであろう
まどろみの中で最後のあいさつは「春の一日おやすみなさい」