さはらやの倉庫 詩と短歌 

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短歌練習帳6 横山未来子

短歌練習帳6 横山未来子

みずみずしい文語の短歌を作る歌人である。
文語は難しく、硬くなりがちだがとれたてのオレンジのような雰囲気を出せるよう頑張った。

夏みかんゼリーを喉へ流し込む君を夏だと言つてもよいか

葉桜の木漏れ日のなか振り返る背中に吹いた風はもう夏

校庭のすみの水飲み場に落つる冬の欠片を拾い集めたり

引き抜いたタンポポの根は広がつて春の始めに延びんとしてゐた

月が尾を引くかのやうなおぼろ雲その陰りさへとても優しく

鳥たちが眠りにつきて星がする咳を夜風といふのだらうか

学生が静かに集ふ夕方の図書館覆ふだいだいの空

銀ねずの空に光は見えずとも私の街に灯りは灯る

湖面からあふるる春の風たちが空へ向かふと笑い合つてる

花びらを手土産にして卒業の帰りに一人吹いた口笛

冷たさに目を丸くするその顔が見たくて君に放つたコーラ

初夏の風が私の髪の毛をくしやくしやにする私は笑ふ

高校の頃、自販機に振る夏みかんゼリーというのがあって、おごるというと、これか購買のシュークリームだった。
だから夏みかんゼリーは私の青春とかぎりなくイコールで結ばれているのだ。

桜前線開架宣言

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歌集 金の雨

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はじめてのやさしい短歌のつくりかた

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横山未来子集 (セレクション歌人 (30))

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午後の蝶―短歌日記〈2014〉

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水をひらく手―歌集

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花の線画―歌集

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樹下のひとりの眠りのために―歌集

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