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さはらやのブログ 詩と短歌 時々自分のこと

詩と短歌とその他もろもろのブログ twitter @0ya5udon

短歌条例

ザリガニの尻尾が少し青いのは空に憧れ続けた証拠だと言った隣の家のにいちゃんの鎖骨は少し青くなってた。
「にいちゃんも空にいつかは行っちゃうの?」
不安になって訪ねてみたら首を降り少し悲しそうに否定した。
「人間は空は飛べない生き物さ。」
にいちゃんの目は真剣だ。そして夕日を見て呟いた。
「十八を越えたら俺はこの街を出て飛行艇乗りになるんだ。ザリガニも鳥もできない海と空すべてを俺はこの目で見たい」
「にいちゃんが空を飛ぶなら僕も飛ぶ!」
何も知らない僕の頭をにいちゃんはとても優しく撫でてくれ、
僕らはひとつ約束をした。

(にいちゃんが大人にってこの街に帰ってきたらまた遊ぶこと)

にいちゃんは言ったとおりに十八でこの街を出た。僕はそのとき十二歳だった。大人の戦争が始まる兆しが見え隠れした。