読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

さはらやのブログ 詩と短歌 時々自分のこと

詩と短歌とその他もろもろのブログ twitter @0ya5udon

短歌 十二月十一日 日記 50首

十二月十一日 日曜日 短歌日記

十二月だということに慣れてきて寒い理由がひとつ見つかる

たくさんの課題を残してくるまった毛布は母のうなじの匂い

脱ぎ捨てた部屋着は形を保ちつつ帰ってくるのをずっと待ってた

五十首を詠みたい逃避行動ははや四首目でつまずいている

ぶっ飛んだ宇宙遊泳したくってNASAに向かって中指たてる

今、今を生きてることが最高で反省とかは棺桶でする

魂が抜かれた後の肉体になったつもりで惰眠むさぼる

誰ひとり見なくてもいい日記だと言い聞かせながら作った短歌

掃除機の音は苦手だ私まで機械になって唸る気がする

十首目に出てくる猫は想像の中であくびをしているペルシャ

流行りには乗らないけれど「死ね」と言う私はとがった毛布に似てる

遺伝子の名前を覚えて知り合いの名前を覚えられないのが私

ガラス窓に写る太った顔を見ていちいちへこんでいるのが私

来週のテスト勉強放り出し短歌を作っているのが私

何回も通知を確認しなければ落ち着かないでいるのが私

五十首を作る気力もなくなってネタも尽きたら十六首目だ

睡眠に負けそうになる遠くでは踏み切りが鳴る音が聞こえる

日が西に傾きはじめてまだ四時の早さで風が寒さを運ぶ

図体が大きいだけで生きてても邪魔になってるのが私です

知っている人の記憶を全部消しいなかったことになりたい私

怒られて存在否定してしまう そういうことじゃないというのに

成り立ってない歌を平然と詠むそんな私に嫌気がさした

昼食べたパスタが蛇に変わったら噛まれてここで死ぬのだろうな

死にたさが急加速する 札幌の雪はやまない 私死にたい

二十五首作り終えたらもうつらい死にたくなって消えたくなって

散らばったプリントたちは山となり私はそこで遭難してる

寒い中寝るな死ぬぞと言われつつ眠り死にたい雪山のなか

今死ぬと迷惑かける人がいる理性が止める錠剤を飲む手

死にたいは責任逃れ 甘えてる私は一番私が嫌い

怒られたことをいつまで引きずっているのですか 子供ですか

死にたいがやまない雪のように降る夜は白くて息が苦しい

誰のため生きているかと聞かれても答えられない(この役立たず)

生きるため算段しよう目覚ましを六時に合わせる(明日も生きる)

こんなことしている暇はないことも一番分かっているのは私

影を描く、光が自然に見えてくる 破滅を歌うとどうなるでしょう

もうすぐに私を呼んでる声がするそれが怖くてしかたがないの

真っ暗な液晶画面に映りこむ私の顔は塗りつぶされる

階段の壁のコートは緑色 音が怖くて隠れる私

夕食の団欒、声が飛び交って怖いよ弾丸みたいに怖い

四十首作ってつらくなるばかり積もった死ぬで前が見えない

父が母を責めてる声が怖くって耳を塞いだここは戦場

わたしわたし私ばっかり詠んだって誰も分かってくれないよ君

ストーブがふおーって言って暖かい空気を無表情で吐き出した

夕食の刺身の魚の死について考える人のひとりになった

幸せが口から入る食卓がある幸せを噛み締めている

頓服を飲む手は震えこれはまた別の薬の副作用だと

遠くへと行く人に言う気をつけてお守りのように両手を握る

致死量を知ってる薬を飲むときの脳をかすめる自殺の二文字

死にたいに代わる言葉を見つけてよまだ死ぬわけにはいかないのです

平和だといいたい休みが終わるときつま先はまだ少し冷たい