さはらやのブログ 詩と短歌 時々自分のこと

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短歌 「細密画」

死にたいと死にたくないの波がぶつかり合ってできた凪(なぎ)が私ならば私の歌はその凪(なぎ)を細部まで正確に描いた細密画である。

菜の花が私の体に咲き誇り季節外れの知恵熱をだす

透明な羽根を持たずに僕は飛ぶ落下地点は雑草の花

道端の潰れたハチのレクイエム三メートルの綺麗な和音

開いたり閉じたりを繰り返す口 防音ガラス越しの合唱

いつまでも半透明な爪先で完全体に成れずに過ごす

大量の死体の山を作り上げ肉屋魚屋今日も営業

たくさんの目を持つトンボはたくさんの死を見て涙を浮かべもしない

育てたら花を広げたホウセンカ罪なく害なく死んでゆきます

二千年前の礎石の冷たさを沈む夕日は知るよしもない

真実をテレビの形に切り取った芸術品がニュース番組