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さはらやのブログ 詩と短歌 時々自分のこと

詩と短歌とその他もろもろのブログ twitter @0ya5udon

短歌 「死にたい私」

死にたい私

前髪を切りすぎたから前髪が伸びるまで死んでいたいと思う

手のひらの生命線が短くて最期「自殺」と書き込んでみる

信号は赤 止まらずに歩き出す小さな自殺は未遂に終わる

毒殺であっけなく逝く被害者をテレビの前でうらやむ私

こんなに軽い理由があるだろうかシャボン玉がうまく作れなかった

死にたいが息する度に舞い上がりとても綺麗だから許してよ

カップ麺みたいに気軽に死にたいと言うもんじゃない(言うもんじゃない)

死ぬわけはどんなわけなら許される?ボーダーラインを決めるのは誰?

「生きたい」はコインの表「死にたい」はコインの裏で私がコイン

何を持ち二重螺旋は残るのか死ぬ運命をたどる私は

いつどんな時でも誰かに怯えてる前髪をのぞきこむのはやめて

生きてきた証には少し薄すぎて生命線を爪で潰した

快速が人身事故で遅れれば死んだ人への恨みがつのる

犯人は「誰でもよかった」それならば私を殺してくれればよかった

シャボン玉私の命も生きている意味も包んではじけて消えて

弱虫は泣き虫だからダメだから死んでしまった方がいいから

真夜中の空腹に耐え朝になる死にたい私(死にたい私)

具体的に死亡理由を述べなさい(五十字以上三百字以内)

投げ上げたコインは必ず裏になる五十パーセントの確率で

くるくるとまわりまわって行きついたどんな人でも死んでしまうの

友達が笑ってくれた切りすぎた前髪を少し好きになる午後

恋人の生命線は長すぎて「これじゃ仙人だね」と笑った

立ち止まり赤青黒のグラデーション明日も晴れる夕焼けの空

探偵は一人呟く「償えぬ罪はないから、生きてる限り」

美しく光るものから消えてゆくシャボン玉には朝日が透ける

死にたいと思うと同時に生きたいと思う私は生きてゆくから

割り箸がうまく割れずに死にたいと思うそれでも(いいかそれでも)

※諦めは生きる理由に含まれる(死ぬ理由には含まれません)

何回もコインは表に裏になり擦れて光って美しくなる

生まれたら死ぬまでいきる運命を背負って私は今日も生きてる