さはらやのブログ 詩と短歌 時々自分のこと

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短歌 連作 鳩が飛び立つ

鳩が飛び立つ(59首) 精神科待合室でじっと待つ窓辺のひかりだけが穏やか 精神科待合室でシュミレーション脳みそ腐ってるとか言われます? 淡々と僕の言葉を飲み込んで医者の指にはひとつのリング パソコンで精神科医はカルテ取り僕の目を見てやさしい顔だ …

詩 サランラップの向こう側

サランラップの向こう側いつからか上手に息ができなくて うつむくことが得意になった 青空はサランラップに包まれて さも平然と朝日を包む 傷つけることが怖くてにげている? 違う傷つくことが怖いの 夢見てるサランラップの向こう側 誰かが連れて行ってくれ…

短歌研究新人賞 佳作 そうもんか

そうもんか 佐原八重本を読む君の隣で森になる僕は生まれたての森になる会話する君の横顔耳たぶとほくろの位置が意外と近い県道のベンチに二人 イオンしかない風景と湿った風と手をつなぐことに慣れずにマンホールごとに飼っていた犬の真似するその声で僕の…

短歌 震える手で箸を持つ

震える手で箸を持つ青空があまりに遠く伸ばす手の意味を問う人はもういない冷たいか温かいかも忘れたら希望を想うことも億劫一階の自習スペースで震えてたペンの先までただ怖かった真夜中に国道八号線を行くつらいかなしいこわい たすけて西友の駐車場の隅っ…

詩 嘘つき

嘘つき嘘つきな私嘘つきな私が歩いている嘘つきな私が歩いているところに吹いてきた風嘘つきな私が歩いているところに吹いてきた風にのって運ばれる花粉嘘つきな私が歩いているところに吹いてきた風にのって運ばれる花粉によってくしゃみをする父嘘つきな私…

短歌 光学顕微鏡

光学顕微鏡透明なプレパラートの中央に人だつたもの薄くありけり 心筋の壊死の標本から思うこの人の痛みや苦しみを 笑つても笑わなくてもいつか死ぬことにトイレの鏡で気づく コーヒーは五杯目となりブラツクもミルクも飽きて途方にくれる 大小が不同な核を…

短歌 春のはじまりの一日

春のはじまりの一日さあ、朝だおはよう世界 まわってることを少しは嬉しく思う 鳥が飛ぶ朝の出窓の青空は私が一番好きな絵画だ 透明なグラスにそそぐミルクから草原のあおぐささを感じる 焼きたてのパンの匂いをほおばって溶けたバターとおはようのキス カチ…

短歌 Dream of 1965 in 2017

Dream of 1960s in 2017 さはらや夢見ても過去ほど遠いものはなく傷つきながら弦を押さえる 無視をして通りすぎてく人々もそれぞれ前を見て歩いている 投げられたコインに裏があるように選ばなかった人生がある 啄木はロックを知らず死んでった 中指でさす澄…

短歌練習帳6 横山未来子

短歌練習帳6 横山未来子みずみずしい文語の短歌を作る歌人である。 文語は難しく、硬くなりがちだがとれたてのオレンジのような雰囲気を出せるよう頑張った。夏みかんゼリーを喉へ流し込む君を夏だと言つてもよいか葉桜の木漏れ日のなか振り返る背中に吹いた…

短歌練習帳5 松木秀

短歌練習帳5 松木秀 一歩間違えれば狂歌となりそうな内容をうまく短歌にしている歌人である。 私は、普段時事的なことは短歌にしないので挑戦だった。 以前、時事短歌に挑戦したときは全く歯が立たなかったのだが、今回は形だけでも作ることができた。また、…

短歌練習帳7 しんくわ

短歌練習帳7 しんくわしんくわさんの短歌はネプリ歌人のふんどしで連作を読んで衝撃をうけた。 こんなおもしろい短歌って、連作ってあるのかと思った。 連作を作るときはしんくわさんの連作が常に頭にある。 今回は大好きなアルパカで連作を作った。アルパカ…

短歌練習帳3 松村正直

短歌練習帳3 松村正直ロックな歌人だ。東大卒でフリーターだったらしい。 私の中でロックな人は 石川啄木・忌野清志郎・ブルーハーツである。 最後の4首がtwitterでは好評だった。渋いロックが私に合っているのかもしれない。留年をしたらとたんにうるおっ…

短歌練習帳2 中澤系

短歌練習帳2 中澤系実はこの歌人の作風をまねする試みを短歌を始めて一か月半ほどのころにやったことがある。(途中で挫折した) 図書館で桜前線開架宣言に初めて出会った時のことだ。 その時も中澤系の作風で10首を作った。 そのときは画一的に切り取られた…

短歌練習帳4 高木佳子

短歌練習帳4 高木佳子少年や少女、幻想的作風を旧仮名遣いで表現するのは、旧仮名遣い初心者の私には難しかった。 私の想像の中の少女は10歳くらいでいつも白いワンピースを着ている。朝起きてましろのワンピースを着てはくるくるまわる少女の笑いあまり…

短歌練習帳1  大松達知

短歌練習帳1 大松達知「ただごと歌」と本には評されていたので、私もただごと歌を詠んでみた。 ただごとであるがゆえに歌として成立させるのが難しかった。 私の日常を描いたただごと歌を詠んでぼしい。医学生の実情をまず語るときこの雪の日は雪合戦をす先…

短歌練習帳0 はじめに

短歌練習帳0 はじめに図書館の歌集の棚に、一冊、目を引くショッキングピンクの本があった。それがこの本との出会いだった。 桜前線開架宣言(山田航著 左右社) という1970年以降に生まれた歌人ばかりを集めたアンソロジーである。図書館で見つけて、ずっと読…

詩 ルーズリーフの向こう側

ルーズリーフの向こう側図書館でルーズリーフを取り出すと 必ず僕を誘惑するのが ルーズリーフの向こう側 見事に広がる草原のなか 色とりどりのオウムが飛んで (僕たちを歌ってくれよ) と鳴きわめく 僕は誘われるがままに その世界をうたい描いて 気がつけば…

詩 空は青いか

空は青いか空は 青いか 空は 生きてるか 空は 嬉しいか 空は えらいか 空は 大きいか空は 賢いか 空は きれいか 空は 空腹か 空は 毛むくじゃらか 空は 困ってないか空は 寂しいか 空は 知っているか 空は すてきか 空は 背伸びするか 空は 空色か空は 楽し…

詩 図書館が好き

図書館が好き図書館が好き このまちの図書館が好きここでは誰もが呼吸する 大人も 子供も 絵本も 辞書も息がつまった堅苦しさはなく 子供は遊び走り回り 学生は勉学をし 大人はそれを見守りながら本を選んでる背の高さまである本棚もない あたりを見渡せる小…

詩 伝えたいことなど

伝えたいことなど伝えたいことなど ないから空を見ている 目を合わせずに 君のとなりにいれることを 誇りに思う伝えたいことなど ないから鳥を目で追う 会話もせずに 君のとなりにいれることを 光栄に思うよ伝えたいことなど ないから星を探す 手も繋がずに …

短歌 連作ではないもの

期待から諦めになる瞬間のため息の色みたいな机手のひらで踊るあなたをいつまでも見ていたいけど食事の時間悲しみを悲しみであると認めたら存外素直になついてくれた手を繋ぐ先にあるものだけを見て愛だというなら 手を離そうかつまらない話をしてる気がして…

短歌 恨み疲れて

恨み疲れて泣きつかれ眠った君にキスをする。俺はいまでも君の友達。______________________________あの人を恨み疲れて蛇口から落ちる水まであの人の声スカートがほつれてふいにこみあげた嗚咽が染たブラウスのすそ殺せ殺せあの人の不幸を願う全ての私を殺…

短歌 歌壇賞応募作 「二十歳」

二十歳なぜ風は風と呼ばれるこんなにも春夏秋冬 違う顔して銭湯に先輩と行く路地裏で猫の鳴きまね互いに競うぼんやりとかがやく月に問いかける私がぼんやり見えていますか大学の講義は中央左寄りうたた寝しながら過ぎてゆく午後手短に用件だけをと切り出して…

短歌 「一人旅ブギ」(みんな読んでー!)

一人旅ブギ出発の朝は眩しい朝焼けの中に一羽のニワトリが飛ぶホームへと滑り込んだら僕よりも輝いているキハ75まだ低い陽を体内へ取り込んで僕はもうすぐ旅人になる乗り込んだ車両は閉じた異世界の日溜まりだった(猫と目が合う)サンフランシスコについて考…

短歌 「正常」

正常狂ってる、さかなもとりもあおぞらもこいしもきみも尊くはない紙コップふにゃふにゃになり捨てられたそれがほんとの命の姿山びこを叫んでみたらうるさいと怒られた日に叫んだ「ファック!」血を抜いたあとの小さな傷口を痛い痛いとわめく人たちすれ違い…

短歌条例

ザリガニの尻尾が少し青いのは空に憧れ続けた証拠だと言った隣の家のにいちゃんの鎖骨は少し青くなってた。 「にいちゃんも空にいつかは行っちゃうの?」 不安になって訪ねてみたら首を降り少し悲しそうに否定した。 「人間は空は飛べない生き物さ。」 にい…

詩 ホットミルク

ホットミルク君の視線を考えすぎると眠れなくなることがよくある そんな夜更けに一杯のホットミルク 太陽の悲しみを月の下まで持ってきて嘆くとき 涙で枯れた喉に一杯のホットミルク 何でもない日の何でもない夜 何でもない一杯のホットミルク蔦の絡まった屋…

エッセイ 読書について 

14の短歌でエッセイを書きました。 エッセイ 読書について目的のない文章の読み方を知らないうちに忘れてしまった。小中のころはみりんのラベルさえ私にとっての文章だった。 しかし今図書館に行き、手に取った本を数行読んで戻して、繰り返す。蜜蜂のようだ…

詩 深海のソネット

深海のソネット深海のソネットどこにもいない シェイクスピアを探す人々に ソクラテスは言う時を越えろよ戦争をいまだしている僕らに 孔子は何を見つけるのだろう 核兵器だけが残る世界に モナリザだけが微笑んでいる皮肉咲け咲け散って滅びよ命 僕がくずだ…

短歌 二十一歳

二十一歳制服も恋って何と問う友も「昔」になりゆく二十一歳青空を真っ直ぐ見れる幸せがあることを知る病床の窓飲み会の誘いが素直に嬉しくて同期のメンツを浮かべて笑う先輩の明るい気遣いここだけが日溜まりのような気持ちになって心配をかけまいとした家…