さはらやのブログ 詩と短歌 時々自分のこと

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短歌 震える手で箸を持つ

震える手で箸を持つ青空があまりに遠く伸ばす手の意味を問う人はもういない冷たいか温かいかも忘れたら希望を想うことも億劫一階の自習スペースで震えてたペンの先までただ怖かった真夜中に国道八号線を行くつらいかなしいこわい たすけて西友の駐車場の隅っ…

詩 嘘つき

嘘つき嘘つきな私嘘つきな私が歩いている嘘つきな私が歩いているところに吹いてきた風嘘つきな私が歩いているところに吹いてきた風にのって運ばれる花粉嘘つきな私が歩いているところに吹いてきた風にのって運ばれる花粉によってくしゃみをする父嘘つきな私…

短歌 光学顕微鏡

光学顕微鏡透明なプレパラートの中央に人だつたもの薄くありけり 心筋の壊死の標本から思うこの人の痛みや苦しみを 笑つても笑わなくてもいつか死ぬことにトイレの鏡で気づく コーヒーは五杯目となりブラツクもミルクも飽きて途方にくれる 大小が不同な核を…

短歌 春のはじまりの一日

春のはじまりの一日さあ、朝だおはよう世界 まわってることを少しは嬉しく思う 鳥が飛ぶ朝の出窓の青空は私が一番好きな絵画だ 透明なグラスにそそぐミルクから草原のあおぐささを感じる 焼きたてのパンの匂いをほおばって溶けたバターとおはようのキス カチ…

短歌 Dream of 1965 in 2017

Dream of 1960s in 2017 さはらや夢見ても過去ほど遠いものはなく傷つきながら弦を押さえる 無視をして通りすぎてく人々もそれぞれ前を見て歩いている 投げられたコインに裏があるように選ばなかった人生がある 啄木はロックを知らず死んでった 中指でさす澄…

短歌練習帳6 横山未来子

短歌練習帳6 横山未来子みずみずしい文語の短歌を作る歌人である。 文語は難しく、硬くなりがちだがとれたてのオレンジのような雰囲気を出せるよう頑張った。夏みかんゼリーを喉へ流し込む君を夏だと言つてもよいか葉桜の木漏れ日のなか振り返る背中に吹いた…

短歌練習帳5 松木秀

短歌練習帳5 松木秀 一歩間違えれば狂歌となりそうな内容をうまく短歌にしている歌人である。 私は、普段時事的なことは短歌にしないので挑戦だった。 以前、時事短歌に挑戦したときは全く歯が立たなかったのだが、今回は形だけでも作ることができた。また、…

短歌練習帳7 しんくわ

短歌練習帳7 しんくわしんくわさんの短歌はネプリ歌人のふんどしで連作を読んで衝撃をうけた。 こんなおもしろい短歌って、連作ってあるのかと思った。 連作を作るときはしんくわさんの連作が常に頭にある。 今回は大好きなアルパカで連作を作った。アルパカ…

短歌練習帳3 松村正直

短歌練習帳3 松村正直ロックな歌人だ。東大卒でフリーターだったらしい。 私の中でロックな人は 石川啄木・忌野清志郎・ブルーハーツである。 最後の4首がtwitterでは好評だった。渋いロックが私に合っているのかもしれない。留年をしたらとたんにうるおっ…

短歌練習帳2 中澤系

短歌練習帳2 中澤系実はこの歌人の作風をまねする試みを短歌を始めて一か月半ほどのころにやったことがある。(途中で挫折した) 図書館で桜前線開架宣言に初めて出会った時のことだ。 その時も中澤系の作風で10首を作った。 そのときは画一的に切り取られた…

短歌練習帳4 高木佳子

短歌練習帳4 高木佳子少年や少女、幻想的作風を旧仮名遣いで表現するのは、旧仮名遣い初心者の私には難しかった。 私の想像の中の少女は10歳くらいでいつも白いワンピースを着ている。朝起きてましろのワンピースを着てはくるくるまわる少女の笑いあまり…

短歌練習帳1  大松達知

短歌練習帳1 大松達知「ただごと歌」と本には評されていたので、私もただごと歌を詠んでみた。 ただごとであるがゆえに歌として成立させるのが難しかった。 私の日常を描いたただごと歌を詠んでぼしい。医学生の実情をまず語るときこの雪の日は雪合戦をす先…

短歌練習帳0 はじめに

短歌練習帳0 はじめに図書館の歌集の棚に、一冊、目を引くショッキングピンクの本があった。それがこの本との出会いだった。 桜前線開架宣言(山田航著 左右社) という1970年以降に生まれた歌人ばかりを集めたアンソロジーである。図書館で見つけて、ずっと読…

詩 ルーズリーフの向こう側

ルーズリーフの向こう側図書館でルーズリーフを取り出すと 必ず僕を誘惑するのが ルーズリーフの向こう側 見事に広がる草原のなか 色とりどりのオウムが飛んで (僕たちを歌ってくれよ) と鳴きわめく 僕は誘われるがままに その世界をうたい描いて 気がつけば…

詩 空は青いか

空は青いか空は 青いか 空は 生きてるか 空は 嬉しいか 空は えらいか 空は 大きいか空は 賢いか 空は きれいか 空は 空腹か 空は 毛むくじゃらか 空は 困ってないか空は 寂しいか 空は 知っているか 空は すてきか 空は 背伸びするか 空は 空色か空は 楽し…

詩 図書館が好き

図書館が好き図書館が好き このまちの図書館が好きここでは誰もが呼吸する 大人も 子供も 絵本も 辞書も息がつまった堅苦しさはなく 子供は遊び走り回り 学生は勉学をし 大人はそれを見守りながら本を選んでる背の高さまである本棚もない あたりを見渡せる小…

詩 伝えたいことなど

伝えたいことなど伝えたいことなど ないから空を見ている 目を合わせずに 君のとなりにいれることを 誇りに思う伝えたいことなど ないから鳥を目で追う 会話もせずに 君のとなりにいれることを 光栄に思うよ伝えたいことなど ないから星を探す 手も繋がずに …

短歌 連作ではないもの

期待から諦めになる瞬間のため息の色みたいな机手のひらで踊るあなたをいつまでも見ていたいけど食事の時間悲しみを悲しみであると認めたら存外素直になついてくれた手を繋ぐ先にあるものだけを見て愛だというなら 手を離そうかつまらない話をしてる気がして…

短歌 恨み疲れて

恨み疲れて泣きつかれ眠った君にキスをする。俺はいまでも君の友達。______________________________あの人を恨み疲れて蛇口から落ちる水まであの人の声スカートがほつれてふいにこみあげた嗚咽が染たブラウスのすそ殺せ殺せあの人の不幸を願う全ての私を殺…

短歌 歌壇賞応募作 「二十歳」

二十歳なぜ風は風と呼ばれるこんなにも春夏秋冬 違う顔して銭湯に先輩と行く路地裏で猫の鳴きまね互いに競うぼんやりとかがやく月に問いかける私がぼんやり見えていますか大学の講義は中央左寄りうたた寝しながら過ぎてゆく午後手短に用件だけをと切り出して…

短歌 「一人旅ブギ」(みんな読んでー!)

一人旅ブギ出発の朝は眩しい朝焼けの中に一羽のニワトリが飛ぶホームへと滑り込んだら僕よりも輝いているキハ75まだ低い陽を体内へ取り込んで僕はもうすぐ旅人になる乗り込んだ車両は閉じた異世界の日溜まりだった(猫と目が合う)サンフランシスコについて考…

短歌 「正常」

正常狂ってる、さかなもとりもあおぞらもこいしもきみも尊くはない紙コップふにゃふにゃになり捨てられたそれがほんとの命の姿山びこを叫んでみたらうるさいと怒られた日に叫んだ「ファック!」血を抜いたあとの小さな傷口を痛い痛いとわめく人たちすれ違い…

短歌条例

ザリガニの尻尾が少し青いのは空に憧れ続けた証拠だと言った隣の家のにいちゃんの鎖骨は少し青くなってた。 「にいちゃんも空にいつかは行っちゃうの?」 不安になって訪ねてみたら首を降り少し悲しそうに否定した。 「人間は空は飛べない生き物さ。」 にい…

詩 ホットミルク

ホットミルク君の視線を考えすぎると眠れなくなることがよくある そんな夜更けに一杯のホットミルク 太陽の悲しみを月の下まで持ってきて嘆くとき 涙で枯れた喉に一杯のホットミルク 何でもない日の何でもない夜 何でもない一杯のホットミルク蔦の絡まった屋…

エッセイ 読書について 

14の短歌でエッセイを書きました。 エッセイ 読書について目的のない文章の読み方を知らないうちに忘れてしまった。小中のころはみりんのラベルさえ私にとっての文章だった。 しかし今図書館に行き、手に取った本を数行読んで戻して、繰り返す。蜜蜂のようだ…

詩 深海のソネット

深海のソネット深海のソネットどこにもいない シェイクスピアを探す人々に ソクラテスは言う時を越えろよ戦争をいまだしている僕らに 孔子は何を見つけるのだろう 核兵器だけが残る世界に モナリザだけが微笑んでいる皮肉咲け咲け散って滅びよ命 僕がくずだ…

短歌 二十一歳

二十一歳制服も恋って何と問う友も「昔」になりゆく二十一歳青空を真っ直ぐ見れる幸せがあることを知る病床の窓飲み会の誘いが素直に嬉しくて同期のメンツを浮かべて笑う先輩の明るい気遣いここだけが日溜まりのような気持ちになって心配をかけまいとした家…

短歌 好き×好き(スキカケルスキ)

好き×好き(スキカケルスキ)好き×好き=大好きだからってアップルパイに猫を入れるな真夜中のウサギとメリーゴーランドまわる世界と止まった僕ら神前の供物のなかにまぎれこみやたらうるさいアルパカがいる不機嫌な私は琴の音となりいつかきれいになってしまう…

一歌談欒 3 

一歌談欒 3この森で軍手を売って暮らしたい まちがえて図書館を建てたい(笹井宏之)この歌の中でいう森は本当の森ではなく詠み手が考えた架空の森だと思う。本当の森では軍手なんて売れないからだ。けれど、この人は架空の森の中で軍手を売って暮らしをた…

短歌 山登り

山登り踏み出せば山は静かにさざめいて僕の頭を優しくなでる木陰から見える街には人がいることも知らずにふぅとため息立ち止まり見上げれば空こんなにも青いとなんかおもちゃみたいだすれ違う人の視線を気にせずにいられる山の居心地はよい踏みしめる土と会…

短歌 十二月十一日 日記 50首

十二月十一日 日曜日 短歌日記十二月だということに慣れてきて寒い理由がひとつ見つかるたくさんの課題を残してくるまった毛布は母のうなじの匂い脱ぎ捨てた部屋着は形を保ちつつ帰ってくるのをずっと待ってた五十首を詠みたい逃避行動ははや四首目でつまず…

短歌と散文 「僕集合」

僕集合(小指からレーザービーム)他人との自動ブレーキシステム搭載すみません、隣いいですかと聞かれ無言で頷くマスクは白い今日朝起きてからすれ違った人の中で一人だけ生きているのだと思ったのはいつもの角で掃除しているおじさんだけだった。テレポー…

百人一首 本歌取り アルパカ百匹①

百人一首の本歌取り……になっているかどうか分からないものをアルパカで作りました。Twitterに一つずつあげたもののまとめです。少し改作しています。まずは1~30まで。三日坊主になる可能性が高いのですが、ならなかったら100まで続きます。アルパカ百匹秋の…

詩 寂しい

寂しい 寂しい 寂しい寂しさは僕の肺から吐き出されまた口腔に入ると次は咽頭から食道に流れ込み、胃を通過して小腸で吸収される。吸収された寂しさはどうなるのだろうか。そもそもまず寂しさは胃で分解されるだろうから、もう寂しさではないのだ、だったら…

詩 アポとーシス 免疫 解剖

アポトーシスアポトーシス、それはプログラムされた死。計画的な死。 私たちは毎日約三千億もの細胞たちの死の上で生きている。 おたまじゃくしは尾が消えないと蛙になれないように、私たちも私たちの一部が死に続けない限り生き続けれないのだ。 予定調和の…

詩 真実について

バカな人が増え続けて地球が滅亡すればいいのに。そう考えれば地球はたぶん滅亡しない。たぶん、そういうものだから。 君が昨日入ったお風呂のなかにも細菌はうじゃうじゃいると言うと嫌われるってさすがの僕だって知ってるよ。真実は時に適切ではない。いや…

詩 意味のないこと

意味のないことをしようよ。 意味のないことをしようよ。 晴れた日にやる水切りみたいに、意味のないことを君としたい。高く飛べ!無心に願うシャボン玉 そこにあるのは 美しさだけ

詩 波濤

波濤大きな波が私をさらい、私の小舟はただの板切れになってしまった 遠い遠い水平線が見える ここはどこだ波濤よ 私をどうする気だ 波濤よ また私を一人にさせるのかまだ私を待っているのは 漁村の猫か 空のカモメか波濤よ 先程は これでもかという海水を私…

詩 沈黙

沈黙沈黙は沈黙でしか語れない。私の真正面に座っている彼は私たちがファミリーレストランの椅子に座ったときから沈黙を保っている。私がハンバーグ定食を頼んだときだけ「同じのを」とだけ言った。しかし、その声さえも忘れてしまうほど長い間彼は沈黙を保…

短歌 「100円均一で並んでいる何か」

100円均一で並んでいる何かもし僕に青い絵の具を落としたらチープなマーブル模様になるよもし僕がチープなマーブル模様なら100均にある「使えないもの」本当の白をしている100均のプラスチックボールの一部本当の白を汚してしまいたく108円で買う「白いもの…

短歌 「今日の辛さを短歌にしました」

今日の辛さを短歌にしましたもう嫌だ胃から何かがせり上がり嗚咽と共にもれ出してくる目をつむり耐えても耐えてもやって来る荒波のような恐怖と不安胸の中鉛を流し込まれたの 溺れて苦しい誰か助けて叫びたいつらいよって叫びたい涙で前が見えなくなるほど曇…

短歌 「神様のこと」

神様について神様はいるかいないか分からない四月の風に影だけ残るてっぺんに行ってみたいと思うこと神様を少し信じてみること音楽のなかに出てくる神様はいつもきれいな服を着ているさびしさは人間だけのものだから祈りは効果がないと思うよ悲しみは誰かの…

詩 「免疫」

わけのわからない免疫の講義を聞きいていると外国の詩(うた)を読んでるみたいな錯覚にとらわれる。T細胞は山の向こうの丘の上の城の王子。B細胞はこの前徴兵でつれていかれた兄たち。私は補体で戦争に駆り出される毎日だ。ふと気付くと講義室はイギリスの田…

一歌談欒2

一歌談欒 23番線快速電車が通過します理解できない人は下がって(中澤系)この歌はよく分からなかった。しかし、この歌のアナウンスが駅でながれたら、私はきっと下がってしまう人だということは分かった。理解できない人は下がってというのは何が理解でき…

短歌 「パラレルワールド」

パラレルワールド探してる平行線の世界から見ているはずの私の顔を明日には違う私になっていてそれでも好きなフルーツケーキ 強がりな性格だけは変わらずにいるのパラレルワールドの中青空が赤い世界で君に会ういつもと同じ笑顔の君と友達の友達という関係に…

短歌 「六畳の神」

六畳の神六畳の宇宙で僕は神になりトイレに行くときだけ人になる空っぽのティッシュペーパーその意味を知ることはなく解体作業玄関の鍵のかけ方忘れても指が覚えてる 大丈夫ジーパンを等間隔に干すときの世界を作っている感 好き花びらは枯れることも死ぬこ…

短歌 「詩」

詩詩の意味を断片的に理解して神様みたいになった気分だ青色は全てが詰まった色だから子宮の中を懐かしんでる死ぬことと忘れることは同じこと今日も多くの死を見届けて宇宙にはウサギはいない人間の妄想だけがエネルギー源灰色の冷蔵庫から見つかったチョコ…

短歌 「ハロウィン」

ハロウィン頭文字あ~わまであいつまで仮装しやがるそうやって日本を日本じゃなくそうとするいつもならおはようなのに今日だけはトリックオアトリート ばかじゃないの浮かれてる奴らはみんなマシュマロが喉につまって死ねばいいのにえのきだけ別にしといた椎…

エッセイ Twitterのこと

Twitterのことこの文章を誰が読んでいるかは分からないけれど、自分の中の整理としてTwitterについて少し書こうと思います。私は去年の冬に体調をくずして、半年休学してまた今復学しています。病気は不安障害とパニック障害とうつ病を足して3で割ったみた…

短歌 「細密画」

死にたいと死にたくないの波がぶつかり合ってできた凪(なぎ)が私ならば私の歌はその凪(なぎ)を細部まで正確に描いた細密画である。菜の花が私の体に咲き誇り季節外れの知恵熱をだす透明な羽根を持たずに僕は飛ぶ落下地点は雑草の花道端の潰れたハチのレクイ…