さはらやの倉庫 短歌と愚痴と雑記

短歌と愚痴と雑記 twitter @0ya5udon

短歌練習帳25 

短歌練習帳25 山崎聡子さんの短歌を読んで私が詠んだ歌

過去

通学路の縁石の上歩くのが上級生の特権だった

放課後に蛇口を反対向きにして出てきた水は透明だった

雨の日のプールにつかる瞬間の雨となりゆくような衝撃

夜祭りの最後に買ったリンゴ飴転んで砂にまみれてしまった

村からは赤く焼けたる街の空夜でもはつきりはつきり見えた

兄さんは赤紙が来たその晩に鳥を一匹鍋にしました

焼夷弾降りしきるなかあぜ道を末の弟と必死に逃げた

山際に逃げた人らは焼け死んだ山に逃げるな 山に逃げるな

どしゃ降りの中を走ってスカートが絞れるほどに濡れた夏の日

抱きあってこしょぐりあって友達というには近すぎるほどの人

会うだけでずっと笑っていれたからその空間が心地よかった

河川敷 テスト終わりの昼下がり 水切りをしてはしゃぎまわった

短歌練習帳9

短歌練習帳9 雪舟えまさんの短歌を読んで私が詠んだ歌

シャッターが八分の五おりている商店街が私は好きだ

どこまでも普通の顔を見せている街の排水溝にペガサス

チョコレートあげるっていうその手からもらうっていうこの手まで愛

味噌汁の具が大根であったとき気付かないほど少しやさしい

思ったら泣いてしまいそうになったやさしさだとかあいはきらいだ

コンビニの駐車場に入るとき段差があってそれはまじない

本棚に立て掛けてある私とか君の人生みたいな本たち

人が死ぬことがあたりまえの日々にやさしい雨、ようこそ雨

お布団に倒れこんだときにふいた風は五番目くらいに好きだ

ぬいぐるみに名前をつけて君のことも本名でよぶことのうれしさ

手のひらの三十六度五分がいい人間に生まれてきてよかった

ホッチキスとめてるときのおとみたいわたしと君が手を繋ぐとき

恋語る友達の耳とてもとても失恋と復縁の形だ

スーパーでお釣りをもらうそのときに地球がひとつまばたきをした

自転車に乗って追い風向かい風どちらも風という人はばか
 
分からないことが嬉しいたとえばさ五円に穴があいていること

短歌練習帳7 

短歌練習帳7 しんくわさんの短歌を読んで私が詠んだ短歌

しんくわさんの短歌はネプリ歌人のふんどしで連作を読んで衝撃をうけた。
こんなおもしろい短歌って、連作ってあるのかと思った。
連作を作るときはしんくわさんの連作が常に頭にある。
今回は大好きなアルパカで連作を作った。

アルパカのアルパカによるアルパカのための国ならあくびしやすい

アルパカのあくびの真似で三日間笑いをとったアルパカ王者

好きな子がアルパカみたいなあくびするところをみた日の空の青さよ

もし俺がアルパカならばもう少し角度をつけてあくびをするぞ

いつまでも部室で話す恋のこと友達のことアルパカのこと

自転車で全力疾走した後の前髪がほらアルパカの前髪になる

先生の口の動きがアルパカにそっくりだから落書きにする

通学の途中ですれ違った犬あれアルパカにむっちゃ似ていた

木魚って叩いたことはないけれどきっと叩くとにゃーと鳴くよね

仏教のいっかんとしてばーちゃんが唱えるお経にハモりいれてる

厚化粧している友の母さんに話しかけること:チャレンジ精神

母さんが月に変わってお仕置きをしたならそれはお節介だ

少しでも面白いと思ってもらえたならうれしい

桜前線開架宣言

桜前線開架宣言

しんくわ (新鋭短歌シリーズ32)

しんくわ (新鋭短歌シリーズ32)

短歌練習帳3

短歌練習帳3 松村正直さんの短歌を読んで私が詠んだ短歌

ロックな歌人だ。東大卒でフリーターだったらしい。
私の中でロックな人は
石川啄木忌野清志郎ブルーハーツである。
最後の4首がtwitterでは好評だった。渋いロックが私に合っているのかもしれない。

留年をしたらとたんにうるおった僕のものではない涙にて

正しさを正しいと言う愚かさと勇気をたたえ新聞を買う

目に見えぬものが愛だと言うならばあの泣いている子供はなんだ

夕焼けが僕を照らしてそれでもさ僕の人生まで照らせない

悲しみを新聞紙に染み込ませたらよく燃える気がする冬の日だ

鏡には私の顔しかうつらずに綺麗なこともなにもかもない

読みかけの本を鞄に入れたなら一番近い坂道を行く

寒い日のマフラーのごとあたためる僕は僕しかいない事実を

夕焼けが死にたいほどに美しく死因:夕焼け なかなかによい

何もない部屋のすみにはハンガーのカーブは少し急すぎないか

もがいたらもがいたぶんだけ足跡が芸術品に近くなるのだ

イヤホンが千切れるほどに踊ったら明日のために寝ようじゃないか

あなたにとってのロックはなんですか?

桜前線開架宣言

桜前線開架宣言

午前3時を過ぎて (塔21世紀叢書)

午前3時を過ぎて (塔21世紀叢書)

樺太を訪れた歌人たち

樺太を訪れた歌人たち

やさしい鮫―松村正直歌集 (塔21世紀叢書 (第86篇))

やさしい鮫―松村正直歌集 (塔21世紀叢書 (第86篇))

駅へ―松村正直歌集 (塔21世紀叢書 (第5編))

駅へ―松村正直歌集 (塔21世紀叢書 (第5編))

高安国世の手紙 (塔21世紀叢書)

高安国世の手紙 (塔21世紀叢書)

短歌は記憶する (塔21世紀叢書)

短歌は記憶する (塔21世紀叢書)

追記
松村正直さんの名前を村松正直さんと謝っていました。申しわけありません。

短歌練習帳2

短歌練習帳2 中澤系さんの短歌を読んで私が詠んだ短歌

実はこの歌人の作風をまねする試みを短歌を始めて一か月半ほどのころにやったことがある。(途中で挫折した)
図書館で桜前線開架宣言に初めて出会った時のことだ。
その時も中澤系の作風で10首を作った。
そのときは画一的に切り取られた現代をイメージして作った。
今回も無機質な画一化された社会をイメージした。
しかし、より具体的に、中澤系が都市に「思考停止の侵食」を見出したならば、地方都市に住む私は「イオン」に思考停止の浸食を見出してみようと考えた。
結果、イオンの歌になった。
とある地方都市の画一化された社会の雰囲気を味わってもらえたならうれしい。

どこまでも車で行ける一車線その横に平然と建つイオン

イオンにてデートをしたらイオンにて葬式の夜の夕食も買う

そこからは思考停止の向こう側イオンの裏山のタヌキとか

雨の日も雪の日も雷の日もイオンは街のすみに建ってる

柔らかいものから順に壊れてく蒸しパン僕君国会議事堂

手に取ったものは大体流行りから遅れて三割引きになってる

学生の波にのまれて学生の定義に一人組み込まれ朝

二年前流行った歌を流してるアーケード街を毎日通る

分かりやすい毎日だけが映画館で上映されない世界に生きる

順番に電車にのって順番にレジにならんで順番に死ぬ

面接で聞かれることを予測して人は前向きな人間になる

ふるさとがあると思っている人のふるさとにあるイオンはでかい

皆さんの街にイオンはありますか?

桜前線開架宣言

桜前線開架宣言

uta0001.txt―中澤系歌集

uta0001.txt―中澤系歌集

短歌練習帳4

短歌練習帳4 高木佳子さんの短歌を読んで私が詠んだ短歌

少年や少女、幻想的作風を旧仮名遣いで表現するのは、旧仮名遣い初心者の私には難しかった。
私の想像の中の少女は10歳くらいでいつも白いワンピースを着ている。

朝起きてましろのワンピースを着てはくるくるまわる少女の笑い

あまりにも無邪気に蟻を潰すから少女の笑みにつられて笑う

鳥の名を知らずとも君は飛べるから今、風の音を探し当ててる

真っ暗な空に光を見いだして飛ぶ 鳥よりも人ははばたく

日に焼けた肘の裏側やわらかく少女の秘めたうちに通ずる

少女らの未完成な曲線をセーラー服がふわりとつつむ

噴水と戯れている蝶たちと戯れている子らの背に羽根

風船を高く飛ばしてもう二度と戻れないところで待っていて

堅い実もいつか熟れると知らぬ日の少女の眼差しはただ熱い

唇は葡萄のようにみずみずしそれに触れるものはいまだない

泣きながら体操座りの少年の甘い果物に似た匂い

駆けながら裸足になって雨の中しぶきが羽根に見える少女ら

あなたの心の中の少女は笑っていますか?

桜前線開架宣言

桜前線開架宣言

青雨記―歌集

青雨記―歌集

片翅の蝶―歌集

片翅の蝶―歌集

短歌練習帳1  

短歌練習帳1 大松達知さんの短歌を読んで私が詠んだ短歌

「ただごと歌」と本には評されていたので、私もただごと歌を詠んでみた。
ただごとであるがゆえに歌として成立させるのが難しかった。
私の日常を描いたただごと歌を詠んでぼしい。

医学生の実情をまず語るときこの雪の日は雪合戦をす

先輩の過去問からは勉強をするべきかどうかという決断を

手に取った教科書これが最後だと言われて(みんな勉強してる……!)

地頭がよい人たちの集まりと努力をしてる人の集まり

鉛筆で書き込むA氏の病状と明日のデートとおばさんの死と

プリンとはいない人には配られず余ったものはただの紙なり

平淡な声でこの人の死因は心筋梗塞でしたと言った

死ねという言葉を医者が使うときその重さを知らないで使う

窓からの景色を知らぬだろう人スマホゲームが得意そうだ

すれ違う人の目は見ずTwitter上の友におはようと言う

勉強を大切だとは知っていてけれど分かっていないからしない

休憩の時間に寝ると授業中することがなく あくびをひとつ




うーむ。やはりむずかしい

桜前線開架宣言

桜前線開架宣言

ゆりかごのうた (コスモス叢書)

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アスタリスク 大松達知歌集 (コスモス叢書)

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スクールナイト―大松達知歌集 (コスモス叢書)

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