さはらやのブログ 詩と短歌 時々自分のこと

詩と短歌とその他もろもろのブログ twitter @0ya5udon

短歌練習帳3 村松正直

短歌練習帳3 村松正直

ロックな歌人だ。東大卒でフリーターだったらしい。
私の中でロックな人は
石川啄木忌野清志郎ブルーハーツである。
最後の4首がtwitterでは好評だった。渋いロックが私に合っているのかもしれない。

留年をしたらとたんにうるおった僕のものではない涙にて

正しさを正しいと言う愚かさと勇気をたたえ新聞を買う

目に見えぬものが愛だと言うならばあの泣いている子供はなんだ

夕焼けが僕を照らしてそれでもさ僕の人生まで照らせない

悲しみを新聞紙に染み込ませたらよく燃える気がする冬の日だ

鏡には私の顔しかうつらずに綺麗なこともなにもかもない

読みかけの本を鞄に入れたなら一番近い坂道を行く

寒い日のマフラーのごとあたためる僕は僕しかいない事実を

夕焼けが死にたいほどに美しく死因:夕焼け なかなかによい

何もない部屋のすみにはハンガーのカーブは少し急すぎないか

もがいたらもがいたぶんだけ足跡が芸術品に近くなるのだ

イヤホンが千切れるほどに踊ったら明日のために寝ようじゃないか

あなたにとってのロックはなんですか?

桜前線開架宣言

桜前線開架宣言

午前3時を過ぎて (塔21世紀叢書)

午前3時を過ぎて (塔21世紀叢書)

樺太を訪れた歌人たち

樺太を訪れた歌人たち

やさしい鮫―松村正直歌集 (塔21世紀叢書 (第86篇))

やさしい鮫―松村正直歌集 (塔21世紀叢書 (第86篇))

駅へ―松村正直歌集 (塔21世紀叢書 (第5編))

駅へ―松村正直歌集 (塔21世紀叢書 (第5編))

高安国世の手紙 (塔21世紀叢書)

高安国世の手紙 (塔21世紀叢書)

短歌は記憶する (塔21世紀叢書)

短歌は記憶する (塔21世紀叢書)

短歌練習帳2 中澤系

短歌練習帳2 中澤系

実はこの歌人の作風をまねする試みを短歌を始めて一か月半ほどのころにやったことがある。(途中で挫折した)
図書館で桜前線開架宣言に初めて出会った時のことだ。
その時も中澤系の作風で10首を作った。
そのときは画一的に切り取られた現代をイメージして作った。
今回も無機質な画一化された社会をイメージした。
しかし、より具体的に、中澤系が都市に「思考停止の侵食」を見出したならば、地方都市に住む私は「イオン」に思考停止の浸食を見出してみようと考えた。
結果、イオンの歌になった。(笑)
とある地方都市の画一化された社会の雰囲気を味わってもらえたならうれしい。

どこまでも車で行ける一車線その横に平然と建つイオン

イオンにてデートをしたらイオンにて葬式の夜の夕食も買う

そこからは思考停止の向こう側イオンの裏山のタヌキとか

雨の日も雪の日も雷の日もイオンは街のすみに建ってる

柔らかいものから順に壊れてく蒸しパン僕君国会議事堂

手に取ったものは大体流行りから遅れて三割引きになってる

学生の波にのまれて学生の定義に一人組み込まれ朝

二年前流行った歌を流してるアーケード街を毎日通る

分かりやすい毎日だけが映画館で上映されない世界に生きる

順番に電車にのって順番にレジにならんで順番に死ぬ

面接で聞かれることを予測して人は前向きな人間になる

ふるさとがあると思っている人のふるさとにあるイオンはでかい

皆さんの街にイオンはありますか?

桜前線開架宣言

桜前線開架宣言

uta0001.txt―中澤系歌集

uta0001.txt―中澤系歌集

短歌練習帳4 高木佳子

短歌練習帳4 高木佳子

少年や少女、幻想的作風を旧仮名遣いで表現するのは、旧仮名遣い初心者の私には難しかった。
私の想像の中の少女は10歳くらいでいつも白いワンピースを着ている。

朝起きてましろのワンピースを着てはくるくるまわる少女の笑い

あまりにも無邪気に蟻を潰すから少女の笑みにつられて笑う

鳥の名を知らずとも君は飛べるから今、風の音を探し当ててる

真っ暗な空に光を見いだして飛ぶ 鳥よりも人ははばたく

日に焼けた肘の裏側やわらかく少女の秘めたうちに通ずる

少女らの未完成な曲線をセーラー服がふわりとつつむ

噴水と戯れている蝶たちと戯れている子らの背に羽根

風船を高く飛ばしてもう二度と戻れないところで待っていて

堅い実もいつか熟れると知らぬ日の少女の眼差しはただ熱い

唇は葡萄のようにみずみずしそれに触れるものはいまだない

泣きながら体操座りの少年の甘い果物に似た匂い

駆けながら裸足になって雨の中しぶきが羽根に見える少女ら

あなたの心の中の少女は笑っていますか?

桜前線開架宣言

桜前線開架宣言

青雨記―歌集

青雨記―歌集

片翅の蝶―歌集

片翅の蝶―歌集

短歌練習帳1  大松達知

短歌練習帳1 大松達知

「ただごと歌」と本には評されていたので、私もただごと歌を詠んでみた。
ただごとであるがゆえに歌として成立させるのが難しかった。
私の日常を描いたただごと歌を詠んでぼしい。

医学生の実情をまず語るときこの雪の日は雪合戦をす

先輩の過去問からは勉強をするべきかどうかという決断を

手に取った教科書これが最後だと言われて(みんな勉強してる……!)

地頭がよい人たちの集まりと努力をしてる人の集まり

鉛筆で書き込むA氏の病状と明日のデートとおばさんの死と

プリンとはいない人には配られず余ったものはただの紙なり

平淡な声でこの人の死因は心筋梗塞でしたと言った

死ねという言葉を医者が使うときその重さを知らないで使う

窓からの景色を知らぬだろう人スマホゲームが得意そうだ

すれ違う人の目は見ずTwitter上の友におはようと言う

勉強を大切だとは知っていてけれど分かっていないからしない

休憩の時間に寝ると授業中することがなく あくびをひとつ




うーむ。やはりむずかしい

桜前線開架宣言

桜前線開架宣言

ゆりかごのうた―大松達知歌集 (コスモス叢書)

ゆりかごのうた―大松達知歌集 (コスモス叢書)

アスタリスク 大松達知歌集 (コスモス叢書)

アスタリスク 大松達知歌集 (コスモス叢書)

スクールナイト―大松達知歌集 (コスモス叢書)

スクールナイト―大松達知歌集 (コスモス叢書)

短歌練習帳0 はじめに

短歌練習帳0 はじめに

図書館の歌集の棚に、一冊、目を引くショッキングピンクの本があった。それがこの本との出会いだった。
桜前線開架宣言(山田航著 左右社) という1970年以降に生まれた歌人ばかりを集めたアンソロジーである。

図書館で見つけて、ずっと読んでいたのだが、最近手にいれることができた。

この本を読んでいて思ったのが、この本にでてくる歌人の作風を真似して短歌を作ってみたら楽しそうだなということだった。

そこで今回、一人の歌人につき12首ずつその歌人の作風を私なりに理解し真似して短歌を詠んでみた。

タイトルは1~40まで番号と歌人の名前をかいた。
順番は桜前線開架宣言と同じである。
拙い作品だが、読んでいただければ嬉しい。

桜前線開架宣言

桜前線開架宣言

詩 ルーズリーフの向こう側

ルーズリーフの向こう側

図書館でルーズリーフを取り出すと 
必ず僕を誘惑するのが 
ルーズリーフの向こう側
見事に広がる草原のなか
色とりどりのオウムが飛んで (僕たちを歌ってくれよ) 
と鳴きわめく
僕は誘われるがままに 
その世界をうたい描いて
気がつけばもう閉館時間
僕ば不思議な気持ちで
真っ黒になったルーズリーフを片付ける

(ルーズリーフの向こう側
君にもときどき見えやしないか
不思議なとこだ
楽しいとこだ
テスト勉強なんてもの
投げ捨ててほら
僕たちの世界をうたっておくれ)

詩 空は青いか

空は青いか

空は 青いか
空は 生きてるか
空は 嬉しいか
空は えらいか
空は 大きいか

空は 賢いか
空は きれいか
空は 空腹か
空は 毛むくじゃらか
空は 困ってないか

空は 寂しいか
空は 知っているか
空は すてきか
空は 背伸びするか
空は 空色か

空は 楽しいか
空は ちっこいか
空は つぶらか
空は 手のひらか
空は 特別か

空は 泣き虫か
空は 逃げ道か
空は ぬすっとか
空は 寝ているか
空は 野原か

空は はりきっているか
空は ひがんでいるか
空は 不屈か
空は 平気か
空は 本物か

空は まっすぐか
空は 見ているか
空は 難しいか
空は めでたいか
空は もっといるか 

空は やっかんでいるか
空は ゆっくりか
空は 良い子か

空は 楽か
空は 立派か
空は 瑠璃色か
空は 冷淡か
空は ロックンロールか

空は 私か

空は「ん」としか答えない